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量子ドットレーザー
太陽光には、様々な色の光が含まれています。この光の色を決めているのが波長、すなわち波の長さです。また、波の山や谷がどこにあるかを、位相といいます。レーザーは、同じ波長で位相のそろった光を発するため、高い強度で、長い距離をまっすぐに飛ばすことができます。 増感色素としても、最適な効果を発揮することができます。
原子から光が放たれるのは、原子核を回る電子が、ある軌道から別の低いエネルギーの軌道に遷移するときです。その光の波長は、二つの軌道のエネルギーの差で決まりますが、原子の軌道は自然界が決めているため、原子の種類が同じであれば、各電子は同一の波長の光を放ちます。
普通の半導体では、電子は様々なエネルギーをとって、自由に動き回るため、各電子から放たれる光の波長は揃いません。また、温度が上がると、電子の動きが増すため、放たれる光の波長の範囲は、さらに広がります。このため、レーザー光の発生に貢献する電子の数が減り、閾値電流が高くなります。
ここで、量子ドットという、電子の波長程度の小さな半導体の箱に、電子を閉じ込めると、波の性質が顕著になり、電子のエネルギーは離散的な値をとります。もしも、レーザーの波長に共鳴する、エネルギー準位を持つ量子ドットを、多数個作ることができれば、電子からレーザー光へ、きわめて効率よく変換できることになります。しかも、三次元的に閉じ込めているため、温度が上昇しても電子の状態は変わらないので、閾値電流は温度に依存しなくなります。よって、量子ドットを使うことによって、理想の半導体レーザーを実現できる可能性があります。
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